損害保険商品の販売方法について

損害保険商品の販売といえば、まず我々が思い浮かぶのは代理店でしょう。町のあちこちに損害保険会社のマークが貼り付けられているのをよく目にした方もおられると思います。これは、損害保険会社の委託を受けて、保険契約を結ぶ代理業務を行う立場で、損害保険会社から代理店手数料を受け取って業務を行っています。
しかし、この損害保険代理店には以前から大きな問題がありました。それは損害保険代理店の業務を専業としてではなく副業として行っているケースが非常に多かったという点です。これは生命保険商品と比べて、損害保険商品は、「モノ」というイメージが強いため、こうした「兼業代理店」がまかり通ってきたのです。町の中で見かける損害保険代理店は、一見そうとは見えないことが多く、どこか別のお店や事務所のような雰囲気であることが多いのはそのためです。
しかし、専業と比較して、兼業代理店の場合、保険商品に関する専門的知識がどうしても劣ってしまうため、業務の一部を損害保険会社の社員がサポートしなければならないことが多かったのです。
保険料率の自由化という波は、こうした損害保険業界の環境を大きく一変させることになりました。自由化ということは競争が激しくなるということですから、非効率的な経営は許されません。結果的に損害保険代理店は吸収合併を繰り返し、代理店数は大幅に減少することになったのです。
損害保険商品の販売形態としては、保険業法が改正されたことによって、保険仲立人(ブローカー)による販売が許容されるようになりました。これは損害保険の歴史において大変意義のあることです。ただ、ここでいうブローカーというのは、決して、損害保険代理店のように代理で契約を結ぶという立場ではありません。ブローカーはあくまで独立した立場で保険契約を結ぶための媒介的な役割、つまり顧客のために最適な保険商品をアドバイスする役割を果たすだけです。
ブローカーによる販売という形式は日本ではなかなか受け入れられにくいかも知れませんが、欧米においては決して珍しいわけではありません。販売チャネルの一つとしては非常に重要な位置を占めるといえます。
このブローカーという立場は、顧客に商品に関するアドバイスをすることで手数料を保険会社から受け取っています。もしブローカーが私利私欲にかられた行動を取るようではいけません。しかしその可能性は過去の事例を見ても大いにあると言わざるを得ません。そこでブローカーは、もし顧客から開示を求められた場合、自分が受け取る報酬等について開示しなければならないという義務を負っているのです。
さらに、代理店もブローカーも介さずに損害保険会社が直接募集するというケースもあります。これは「直扱」といいます。よく新聞や雑誌、電車の広告などに損害保険会社が保険を募集しているものがあります。これが「直扱」の例です。
このように損害保険会社の商品は、保険という性質でありながら「モノ」というイメージをもつため、その販売方法には多様性があり、その点では生命保険商品の販売方法と比較すると大きな違いを生じています。

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